リーマンショック後、世界最速の景気回復を遂げた台湾(前編)

アジアビジネスといえば、世間では中国が話題になっていますが

今回はその中国大陸と台湾の根強い関係性、そしてリーマン・ショック後

世界最速の景気回復を遂げたとされる台湾の政策に注目してみます。


今や、香港、台湾を含めたグレイターチャイナ(大中華圏)の存在感は見逃せなくなってきています。

例えばデジタルカメラは日本と台湾と中国の関係性を象徴的に表しています。

ニコン、キャノン、パナソニック、ソニーなど日本ブランドのデジカメはいまや

世界シェアの70%を独占しております。

ところが実際に世界全体のデジカメの50%を生産しているのは台湾企業なんです。

要するに多くの日本メーカーが、いまや台湾企業に生産を委託しているということです。

では、それらの日本ブランドのデジカメは台湾で作られているのかというと、そうではありません。

当然のこと、台湾企業はコストの安い中国に大規模工場を次々と立てながら、

日本企業へのOEM生産をしているのです。


「じゃぁ日本企業が自ら中国に行って工場作って生産すればいいんじゃ?」


という疑問が浮かびますが、それがそううまくいかない話なのです。

それが中国ビジネスなんです。

中国国内の輸出企業ランキングをみると、2009年時点で、10社中6社が

なんと台湾企業なのです。

台湾のビジネスの上手さがココにあります。


要因としてはいくつかありますが、その中でもこの2点。

1、資金調達の上手さとそのスピード

2、台中関係とその頭脳的政策


台湾は癖の強い中国のハブ的立ち位置を不動のものにしています。

日本国内で中国進出系のビジネス本が売れる一方

実際に中国進出をする日本企業の9割がギブアップするという現実があります。


以下はアジアの新興市場の時価総額です。(2009年6月末時点)

ソース元:野村総合研究所

そして以下がアジア新興市場の上場企業数です。

台湾:Gre Tai

日本:東証マザーズ

韓国:KOSDAQ

シンガポール:Catalist

香港:GEM

国毎の上場の難易度という所で大きく左右されてしまう数値ですが

台湾は比較的簡単に上場が可能です。

また日本とは違い、上場すればほぼ間違いなく資金調達ができる国なのです。


流れはこうです。

台湾の人々は投資が大好きです。

2000年時点でなんと個人投資家の比率が8割。

銀行預金中心の日本とは対照的です。

台湾人は独立心が強く、「自分もいつかは起業して・・・」

と考える人がほとんどです。

資金力のあるベンチャー企業もたくさん存在します。


台湾は業績と業務内容の簡単な開示のみで、

約7日ほどで上場できる国です。

それにより未公開株の売買が個人レベルで活発になり

株価が上がれば即上場。そして莫大な資金調達。

そして国内に留まらず、アジアや世界にに大きく打って出るわけです。


日本のようにお金を守るものとして捉えている方は少なく


「お金は使って何かを生むもの」というポジティブな意識を持っています。

例えば農耕民族は稲から米を収穫し、いつでも食べれるように米を蓄えておきます。

その一方で狩猟民族は、今日生きる糧を求めて新しい土地に足を踏み出します。

どちらが良という話ではありません。

がその場所から動かず守っている農耕民族に比べて

狩猟民族は遥かに行動範囲が広く、環境適応能力が高いです。


少し話しがそれましたが、台湾ではそんな

アンテナ(弓矢)を何本(資金力)も持ったビジネスマン達が蠢いているわけです。

莫大な運用資金があるわけですから、そのスピードは日本企業を遥かにしのぎます。

そこにビジネスの先見性が加わればなかなか太刀打ちできません。


以上が1点目資金調達能力ですが

台湾がリーマンショック後、

さらに力強い国に栄えた最大の理由が次の

国の頭脳的戦略になります。


後編を読む



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